Cameras / LX1

カメラ遍歴……(笑)

LX1 (Hi8)


A1シリーズの集大成、そして、初の本格的な家庭用ビデオ交換レンズシステムを搭載したハイエイトビデオカメラがLX1です。最終的には「とんだ食わせ物(失礼!)」だったわけですが、私にとっては忘れられない「名機」のひとつです(^^)。

今ではこの「VLマウント」も新規格の「XLマウント」に移行してしまったため過去の遺物ですし、ハイエイト自体がフォーマットとして生き残れるのか微妙なご時世です(^^;)。それでも、当時このシステムの登場は衝撃的でした(”)(,,)。まずは、そのVLマウントを振り返ってみましょう(^.^)b。

別ページで紹介した、EDカムやEVC-X10もレンズ交換可能なビデオカメラですが、これらはVLマウントとは根本的に性格が異なります。EDカムは業務用のバヨネットマウントをそのまま流用したため、高価な業務用レンズしか交換できません。もちろん、業務用ですからレンズの性能も相当な水準ではありますが、あまり気軽にレンズ交換するようなシロモノではありません。また、EVC-X10のほうは、元来シネカメラ用で電気接点を持たないCマウントのため、アダプターを介してスチル用レンズを装着したところで、AEもAFもダメです。

そもそもVLマウントシステムは1988年2月に、キヤノン、ソニー、日立、松下の4社で共同開発されたものです。この企画提案は、ビデオにおいては、35ミリのマウント規格が乱立した二の舞を防ごうという主旨でもあったそうです(各社バラバラな規格でユーザーに不便を強いている)。構造的にはマウント部の6カ所の接点で電気的接続を行い、ビデオ本体とレンズの間で双方向の信号のやりとりが行われるバヨネットマウントです。オートフォーカスやオートアイリス、ズームまでもビデオ本体側からコントロールするようになっている当時としては先進的な規格だったのです。

さて、別ページでも書きましたが、私はビデオカメラの「望遠度?」には並々ならぬこだわりを持っています(^^;)。実際、ビデオで旅客機を撮影するマニアの一番人気のオプションが「テレコンバージョンレンズ」だと思われます。しかし、家庭用ビデオカメラは基本的にレンズ交換ができないため、市販されているテレコンはすべてレンズ前玉のフィルター枠にねじこむ「フロントコンバーター」なわけです。これは、要するに単純に倍率だけエクステンドしてもマスターレンズの基本性能を超えることはありえないわけです。マスターレンズとの相性の問題もありますしね。

その点、レンズ交換可能なビデオカメラの場合は、遠くの被写体を大きく写したい時は、長焦点レンズに交換すればよいわけで、実に単純明快かつ原理に忠実ですね(^.^)b。

LX-1には同時発売で2倍エクステンダーと、スチルカメラのEOS用レンズのアダプターも用意されていました。ただし、撮像面のサイズの違いから、焦点距離は5・6倍伸びてしまうのです。たとえば、EF50ミリレンズをLX-1にEOSアダプターを介して装着すると280ミリ相当となるのです。

しかしながら、動画であるビデオの世界では、アマ、プロを問わず、現実的に使いこなせるのは1700ミリ程度が限度でしょうね。それ以上の超望遠は机上の空論的スペックで現実味がないと思います。少なくとも旅客機ビデオの世界では。

ですから、LX-1+EFレンズの場合、装着できるEF(長焦点)レンズの上限は1700÷5・6で、せいぜいEF300ミリ程度が限度となるでしょう。

さて、このように惚れ込んで購入したLX-1システムですが、私としては「ハズレ」でした(笑)。

新潟や福岡、名古屋、そして伊丹といろいろな空港でテストしてみたのですが、どうも使い勝手が悪いのです(~_~;)。

まず、期待の望遠性能ですが、まず純正のエクステンダーがダメでした。これはマウントとレンズの間に挟んで使用するリアコンバーターで、カタログにはなぜか標記されていませんでしたが、露出倍数は×2となり、その面で性能が落ちるのは一眼レフ用と同じです。それはともかく、困ったことは絞りが解放近くになるとバックフォーカスがずれてしまう事です。つまり、夕暮れなどのシチュエーションで、テイクオフする機体をフォローし、その後ズームバックで空港全体を見せる…などの場合、ズームバックするとピンボケになってしまうのです(T。T)。しかし、この症状を指摘したビデオ雑誌のテストレポートは見あたらなかったので、あるいは私の保有機だけの不調だったのかもしれませんが。

また、VLレンズにはアイリスリングはないので、EOSのように本体側からコントロールするわけですが、露出設定がダイヤル式でレスポンスが非常に悪く、ひと昔前の連続可変式みたいだったのです(この操作性の点では前機種A1デジタルのほうが進んでいる)。時間をかけてじっくり調整すれば、正確なアイリス設定ができるものの、ビデオは動画です。ファインダーをのぞきながらのリアルタイム補正が必要であり、このじっくり追い込んで行く操作性は、まるでスタジオでの「商品撮影」の世界です。開き直って、オートで撮影した方が気持ちいい。また、露出設定の目安になるEVF(電子ビューファインダー)が0.7インチと貧弱な事は残念でしたね。もちろん、他社の同サイズのものと比べるとスポーツファインダーが搭載されていることもあり、格段に見やすいのですが、微妙な露出設定ではやはり不安がつきまといました。また、前機種A1デジタルと比べるとファインダーがとても暗い。そのくせ、業務用のようにブライトネスの調整ができないのだから始末が悪い(-.-;)。

次は、EFレンズです。ここでは普及ズームであるEF100-300(F4.5-5.6)をEOSアダプターを介して装着しました。この取説を読むと、やたら制限事項が多いのに気付きます。要するにAFもAEもワンプッシュ(ボタンを押している間だけオートになる)を使用したほうが良いとの事。テストしてみると実際にその通りでした。AFは超音波モーターではありますが、駆動音は相当なものでマイクが拾ってしまうし、AFもAEも動作が過敏で落ち着きません。

やはりビデオレンズのようなフィーリングの操作性は望めないようでした。しかし、ワンプッシュによるAF、AEの動作は確実で(特にAFはシュッシュッと小気味よい)静止画的なカットには十分使えました。肝心の画質ですが、テストしたのがEFの普及レンズとはいえ、やはりVLレンズよりワンランク上がるようです。カメラの解像度が上がったような錯覚すら感じられました(^-^)v。

しかし、暗いシーンでは全然ダメ。明らかに、解放F値1.4のVLレンズのほうが有利です。やはりモチはモチ屋。ビデオカメラにはビデオ用のVLレンズが一番マッチングが良くて当然です。つまり、EFレンズのユーザーサイドからは、手持ちのレンズがそのままLX-1の交換レンズとしても活用できるわけですが、LX-1の交換レンズを目的とするなら、EFレンズはあまり本来の性能を発揮できないという事ですね。

それと、AEレベルなどマニュアル設定が電源オフと同時に消えてしまうのは「ナニこれ(`へ´)」って感じでした。さらに上記の写真をご覧いただきたいのですが、マイクロホンのウインドスクリーンを輪ゴムで縛ってあるでしょ。これは無造作にマイクにかぶせるだけの安っぽい方式のため、肩からストラップでカメラを下げて歩いていると、よく落としてしまったからですヽ(´ー`)ノヤレヤレ。

まだあります。筐体の成形が狂っていたのか、カメラの水平がとれませんでした(‘_’>)。つまり、三脚の雲台側でいくらきちんと水平を出していても、カメラのボディ自体が歪んでいたため、傾いでしまうわけです(-_-#)。この不具合については、指摘していた雑誌のレポートもありましたから、私だけの現象ではなかったようです。

……などと、ボロクソに書いてますが、自腹を切って購入した機材に対してはこれぐらい言わせていただきたいものです(^-^; )。

さらに、誤解のないように書いておきますが、LX-1のコンセプトそのものを否定しているのではありません。相対的にVLレンズは良くできていましたし、EFレンズでも、条件は限定されるものの、航空機撮影に十分活用できたからです。

まあ、旅客機撮影に限らず、表現力を広げるには、レンズ交換能力をビデオカメラが持つ事が必要になるでしょう。また、スチル経験の長い方なら、レンズが画質を決定する上で、かなり大きなファクターとなるのをご存じなですよね。解像力が高く、明るいレンズが、高画質と高い表現力を持つのはビデオにおいても同じはずですから。その意味でもこれからのマニア用ビデオカメラはレンズ交換機能を標準装備にしてもらいたいものです(*^-^)/。

じゃじゃ馬LX-1……(^^;;;)。カタログ画像をごらんいただくとおわかりの通り、とにかくスタイリングはすばらしいカメラです。正直言って、最新型のLX-1より進んでいるとも思います。私としては実使用には耐えませんが、オブジェとして家に飾っておきたいカメラですね♪


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